東京薬科大学薬学部 教授
野水 基義

日本ペプチド学会は1990年に設立されましたが、その前身ともいえる1962年の第1回ペプチド化学討論会(大阪)から数えると半世紀の歴史を持ち、日本におけるペプチド科学の発展に寄与してきています。2020年4月に、第15期会長・三原久和先生から引き継ぎ、第16期の日本ペプチド学会・会長に選任され、就任いたしました。歴代の会長・理事・監事・評議員の先生方をはじめとする諸先輩方が築かれてきた学会活動に微力ながらも貢献できるよう、鋭意努める所存です。何とぞご支援賜りますようお願い申し上げます。

日本ペプチド学会の最も重要な事業は、毎年秋に開催される「ペプチド討論会」です。日本ペプチド学会では、本討論会を広く海外を含めたペプチド研究者を対象とする総合的な学術集会として位置付け、その内容の充実に取り組んでまいりました。2004年と2013年のアジア–太平洋国際ペプチドシンポジウム(APIPS)、2006年のペプチド工学国際会議(PEM)、2010年と2018年の国際ペプチドシンポジウム(IPS)などの国際学会と併せた開催を行ってきました。このように、ペプチド討論会は広く海外を含めたペプチド研究者を対象とする国際的な学術集会へと進化しつつあり、研究発表のほとんどが英語で行われるようになっています。多様な領域の研究者の方々にペプチド討論会に参加していただくことを強く願っております。また、2001年からは、特に若手研究者の課題探求の意識からペプチドフォーラムが企画されるようになり、これまでに26回を数えています。若い研究者の方々の挑戦的な取り組みを期待しております。

若手が主体的に企画・運営する「若手ペプチド夏の勉強会」は、50回を超す歴史を持つ本学会の特徴的な事業です。毎年150名以上のペプチド関連の若手が一堂に会して、若手による若手のための勉強会を開催しています。将来のペプチド科学を担っていく若手研究者や学生の勉強の場、情報交換の場、交流の場として重要な役目を果たしています。若手ペプチド夏の勉強会をとおして、若手の方々のペプチド科学研究の更なる発展に期待しています。

日本ペプチド学会ではこれら学術集会とあわせ、学会賞、奨励賞、討論会でのポスター賞の選考と授与を行っています。また、海外関連学会(アメリカペプチドシンポジウム、ヨーロッパペプチドシンポジウム、IPS、APIPS、そしてオーストラリア、中国、韓国のシンポジウム)への若手会員の参加・発表を支援する目的で、渡航援助のための JPS Travel Award の授与を行っています。これら Travel Award 事業をとおして、国際的な視野を身につけ新たな研究展開を図っていただく機会を支援することも学会の大きな使命と考えています。若手研究者の方々の積極的な応募をお待ちしています。

日本ペプチド学会は、ペプチドおよび関連する基礎ならびに応用科学の発展向上をはかり、社会への理解と普及を深めるとともに、国内外研究者との交流をはかることを目的としています。様々な活動をとおして、ペプチド科学に関連した研究活動の発展に寄与できる学会をめざしていきたいと考えています。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。