第17期会長あいさつ

北海道大学
大学院理学研究院 化学部門
教授
坂口 和靖

この度、第17期の日本ペプチド学会・会長に選任されました。微力ではありますが、理事、監事、評議員の先生方々と力を合わせ、学会および会員の皆様のお役に立てるよう、鋭意努める所存です。何とぞご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

日本ペプチド学会は、ペプチドおよび関連する基礎ならびに応用科学の発展向上をはかり、社会への理解と普及を深めるとともに、国内外の研究者との交流をはかることを目的としています。日本ペプチド学会は1990年に組織され、今年で32年になります。第16期会長・野水基義先生、歴代の会長・理事・監事・評議員の先生方をはじめとする諸先輩方が築かれてきた日本におけるペプチド科学のさらなる成長と持続的な発展を目指していきたいと思います。

ペプチドは、極めて優れた特性、機能、活性を持つ医薬品および多様な材料としても、再び世界的に大きな注目を浴びております。我が国におけるペプチド科学はきわめて多彩な研究領域で基盤的な発展を遂げ、多くの分野で国際的に高く評価されております。日本における初めてのペプチド科学者の学術集会「第1回ペプチド化学討論会」は、赤堀四郎先生を世話人として1962年に大阪で開催されました。日本ペプチド学会では、1998年より討論会を「ペプチド討論会」と改称し、さらに広くペプチド科学の発展を期する研究者の結集をはかり、ペプチドに関わる総合的な学術集会として内容の充実を進めております。

討論会は2023年度には第60回を迎えることとなり、この間1987年、1992年の国際ペプチド化学シンポジウム(JASPEC)、1997年、2010年、2018年の国際ペプチドシンポジウム(IPS)、2004年、2013年のアジア–太平洋国際ペプチドシンポジウム(APIPS)、2006年のペプチド工学国際会議(PEM)などの国際学会と併せた開催を行ってきました。このように、ペプチド討論会は国際的な学術集会へと進化しており、研究発表のほとんどが英語で行われるようになっています。広くペプチド科学に関係する多様な領域の多くの研究者の方々に、ペプチド討論会に参加していただくことを強く願っております。

日本ペプチド学会は、国際的な視野を身につけ新たな研究展開を図り、将来のペプチド科学を担っていく人材を育成していくことも大きな使命と考えています。2001年から特に若手研究者の課題探求の意識から「ペプチドフォーラム」を開催しており、これまでに26回を数えています。さらに、若手が主体的に企画・運営する「若手ペプチド夏の勉強会」は、50回を超す歴史を持つ本学会の特徴的な事業です。毎年150名以上のペプチド関連の若手が一堂に会して、若手による若手のための勉強会を開催しています。これらは、若手研究者や学生の勉強の場、情報交換の場、交流の場として重要な役目を果たしています。

日本ペプチド学会では、これら学術集会とあわせ、学会賞、奨励賞、討論会でのポスター賞の選考と授与を行っています。また、海外関連学会(アメリカペプチドシンポジウム、ヨーロッパペプチドシンポジウム、IPS、APIPS、そしてオーストラリア、中国、韓国のシンポジウム)への若手会員の参加・発表を支援する目的で、渡航援助のための JPS Travel Award の授与を行っています。

これらが、優れた若手研究者の方々によるペプチド科学研究の更なる発展と新たな領域への開拓の一助となることを願っております。

学会に対する要望などございましたら、会長、あるいはお近くの理事・評議員、または学会事務局までお寄せください。皆様のご支援をあらためてお願い申し上げますとともに、皆様の研究のますますの発展を心より祈念いたします。

歴代会長

第16期

2020 – 2022
野水 基義

第15期

2018 – 2020
三原 久和

第14期

2016 – 2018
赤路 健一

第13期

2014 – 2016
赤路 健一

第12期

2012 – 2014
下東 康幸

第11期

2010 – 2012
相本 三郎

第10期

2008 – 2010
相本 三郎

第9期

2006 – 2008
木曽 良明

第8期

2004 – 2006
木曽 良明

第7期

2002 – 2004
岡田 芳男

第6期

2000 – 2002
塩入 孝之

第5期

1998 – 2000
下西 康嗣

第4期

1996 – 1998
鈴木 昭憲

第3期

1996 – 1998
鈴木 昭憲

第2期

1992 – 1994
矢内原 昇

第1期

1990 – 1992
榊原 俊平