近年、HIV-1Tatペプチドをはじめとした膜透過性ペプチドベクターを用いた生理活性蛋白質や薬物の細胞内導入法が注目されています。この方法を用いて分子量数万の蛋白質が細胞内に導入でき、かつ、細胞機能を制御できたことが報告されています。また、蛋白質のみならず、リポソームや合成高分子担体といった様々な物質が効率よく細胞内に送達されたことも報告されています。しかし、この方法を医療へ応用しようとする際には、材料設計、投薬設計、 細胞移行機序や体内動態の検討を含め、様々な解決されねばいけない問題点が残されています。

本セミナーでは、薬学、医学、工学等様々な分野で関連研究に携わる国内の主たる研究者に話題を提供して頂き、この概念を用いた新しい複合材料の開発、細胞内移行機序の解明と医療への展開等に関しての現状と問題点の把握を行います。

日時
場所 京都大学大学院薬学研究科 24番講義室 京都市左京区吉田下阿達町46-29
世話人 二木 史朗(京都大)、松崎 勝巳(京都大)
主催
共催
後援
参加費
内容
  1. 膜透過ペプチドの発見と研究の展開
    二木 史朗(京大化研)
  2. タンパク質セラピー法の高機能化と治療への応用
    松井 秀樹(岡山大医)
  3. 膜透過性ペプチドPTD-QBP1を用いた神経変性疾患ポリグルタミン病に対する分子治療
    永井 義隆(阪大医)
  4. 蛋白導入システムの膵島移植への応用 野口 洋文(京大病院)
  5. 細胞死抑制活性強化蛋白質FNKを用いた蛋白質導入治療法の開発
    太田 成男(日本医大)
  6. 癌免疫療法を目指した膜透過ペプチド融合タンパク発現ベクターの開発 高倉 喜信(京大院薬)
  7. TAT-Protein Aによる特定タンパク質の細胞内導入法の開発
    小畠 英理(東工大院生命理工)
  8. 抗菌性ペプチドの膜透過機構
    松崎 勝巳(京大院薬)
  9. 核酸/ポリカチオン相互作用におけるカチオン種の効果
    丸山 厚(九大先導研)
  10. オリゴアルギニン修飾による薬物の経粘膜透過性の改善
    山本 昌(京都薬大)
  11. オクタアルギニン修飾リポソームの細胞内取り込みと細胞内輸送機構
    原島 秀吉(北大院薬)
  12. オリゴアルギニン修飾ベクターにおけるアルギニン鎖長の遺伝子導入効率への影響
    米谷 芳枝(星薬大)
  13. マルチファンクショナル人工ベクターを用いる遺伝子デリバリー
    長崎 健(阪市大院工)
  <th>参加費</th>
  <td>無料(定員80名)</td>
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申込・問合先

〒611-0011 宇治市五ヶ庄 京都大学化学研究所 二木 史朗
Tel (0774)38-3210/3211 Fax (0774)-32-3038
E-mail:futaki@scl.kyoto-u.ac.jp
http://www.scl.kyoto-u.ac.jp/~bfdc/forum.html