第36回若手ペプチド夏の勉強会は,去る平成15年8月6日から9日までの3泊4日のスケジュールで,神戸市(とは言っても山深い)みのたにグリーンスポーツホテルで開催いたしました。今回は,徳島大学工学部と神戸学院大学薬学部の共催で,北條 恵子,宮崎 杏奈(以上神院大),今野 博行,私(以上徳島大),そして両大学の学生がお世話させていただきました。とりあえずは,無事に終わってほっとしているところです。世話人を代表して,第36回若手ペプチド夏の勉強会の活動報告をいたします。

今年は,117名という例年にない多数の若手研究者が参加され,活発なディスカッションが行われました。今回は,「若手」の定義を,①現在若手の方,②自称若手の方,③かつて若手であった方,に拡大したことが功を奏したものと思われます。また,日本ペプチド学会ホームページを見て,世話人にアクセスされた方も複数あり,インターネットメディアによる情報発信の有効性をあらためて認識しました。

Scientific program では特別講演7,留学体験記2,国際学会参加報告1,一般講演12,ポスター発表28題を行いました。特別講演のタイトルと講師は以下の通りです(講演順,敬称略)。「ペプチド合成研究40年:その応用と展望」岡田 芳男(神院大),「細菌細胞壁ペプチドグリカンの免疫増強活性発現機構を解明したい」深瀬 浩一(阪大),「古くて新しい脱水縮合反応」国嶋 崇隆(神院大),「血漿メタロプロテアーゼ ADAMTS-13 と血栓性血小板減少性紫斑病」小亀 浩市(国立循環器病セ),「蛋白質のゆりかご,シャペロニンの作用機構」田口 英樹(東工大),「7回膜貫通型受容体を介した多様な細胞内シグナル伝達系について」福原 茂朋(国立循環器病セ),「経験的サイエンス論:素心と一期一会」松崎 勝巳(京大)。講師の先生方有り難うございました。また,恒例のソフトボール大会は,台風による豪雨の中,みるみる水田と化してゆくグラウンドでスケジュール通り行われました(強行しました)。

今回は,前回の佐藤先生(佐賀大)のアイデアを踏襲し,会の活性化に貢献した者2名を投票により選出し表彰することとしました。投票の結果,研究討論部門 MVP として破入 正行氏(甲南大),グループ討論部門 MVP として中村 和憲氏(摂南大)が選出され賞状と副賞が贈呈されました。両氏の今後の一層の御活躍と,選に漏れた参加者の来年に向けた奮起を期待します。

幹事会では,今後の若手の会のあり方が議論されました。その結果,当面はこれまでどおり若手大学教員による自主的な運営を継続することで意見がまとまりました。また,参加者および世話人の負担軽減のため,内容を薄くしないやりかたでの会期の短縮が検討に値するという意見が出たので,2泊3日での開催を試験的に行うこととなりました。というわけで,次回(第37回)若手ペプチド夏の勉強会は平成16年8月8日(日)~10日(火)の2泊3日で行われる予定です。世話人は京都大学・玉村 啓和先生(tamamura@pharm.kyoto-u.ac.jp)です。

今年初めてこの若手の勉強会に参加された方々がリピーターとなって,有意義なディスカッション(と楽しいお酒)が来年以降も一緒にできるなら,世話人一同これにまさる喜びはありません。末筆ながら,第36回若手ペプチド夏の勉強会に参加された方,運営に携わった方,御援助,御協力をいただいた方々すべてに感謝いたします。本会運営に際しては日本ペプチド学会から御支援を賜りました。