2025年10月1日、日本ペプチド学会は新しい学術誌「Accounts of Peptide Science Japan」を創刊しました。

https://www.peptide-soc.jp/publication/accounts-of-peptide-science-japan/issue/

Acc. Pept. Sci. Jpn., Vol. 36, No.1 巻頭言より

これまで日本ペプチド学会の会員の皆様に親しまれてきた通称「Green Book」こと「PEPTIDE SCIENCE」ですが、2024 年発刊の「PEPTIDE SCIENCE 2023」をもって休刊とし、今後は1990 年の日本ペプチド学会設立を契機に創刊された「PEPTIDE NEWSLETTER JAPAN」と発展的に統合する形で、新たに「Accounts of Peptide Science Japan」としてスタートを切る運びとなりました。

「PEPTIDE SCIENCE」の起源は、1962 年に開催された蛋白質研究所セミナー第一集「ペプチドの合成」にまで遡ります。その後、1963 年からは「PEPTIDE CHEMISTRY」、1997年からはペプチド研究領域の拡大に伴い現在の「PEPTIDE SCIENCE」へと改名し、ペプチド(化学)討論会の英文要旨集として、日本のペプチド研究成果を広く発信する役割を担ってきました。

しかし近年、多くの学術誌がペプチド研究を取り上げるようになった影響で、「PEPTIDE SCIENCE」への投稿数が減少傾向にありました。こうした背景の中、その存続意義が議論されることが増え、時代の変化に対応する必要性が認識されるようになりました。

このような状況を受け、理事会での議論の結果、「PEPTIDE SCIENCE」と「PEPTIDE NEWSLETTER JAPAN」を発展的に統合し、新たな学術誌「Accounts of Peptide Science Japan」を発刊することが決定されました。そして、このたび創刊号をお届けする運びとなりました。

新学術誌は以下のような原稿区分で構成される予定です:

  • 巻頭言:学会の方針、活動報告、社会との関わりなど
  • 英文Account:一つの主題に基づき、著者自身の研究を総合的にまとめた英文記述
  • 和文Account:一つの主題に基づき、著者自身の研究を総合的にまとめた和文記述
  • Information:国内外の学術情報、研究資金情報、学会報告など、研究活動支援を目的とした記述
  • Essay:関連分野の学術的・社会的意義を有する内容の記述

さらに、日本のペプチド科学を広く世界に発信する目的で、英文および和文の「Account」にはDOI(Digital Object Identifier)を付与し、J-STAGE を通じたOpen Access形式を採用します。

「Accounts of Peptide Science Japan」は、まさに新たに産声を上げたばかりの学術誌です。会員の皆様のご支援とご協力を賜りながら、本誌が世界のペプチド科学において重要な情報源としての役割を果たすことを心より願っております。

日本ペプチド学会
会長 大高 章